逸品❸ 旅の本 —朝の光 『深夜特急』より
「旅」して思い出す。供に本一冊。
…デリーからロンドンまで。 乗合いバスを乗りつぎながら、行けるところまで行ってみよう…
沢木耕太郎著「深夜特急1」の 第1章 朝の光 の一節です。あまりにも有名な小説。旅好きの、バックパッカーのバイブルです。
私は全くバックパッカーではなく、ただの旅人、ANAマイラーですが、この小説にはハマりました。初めて読んだときは、かなり昔の話ですが、文庫で1巻を読み始めると即読破し、一気に6巻まで購入一瞬にして読み終えました。
…千五百ドルのトラベラーズ・チェックと四百ドルの現金を作ると、私は仕事のすべてを放擲し旅に出た…
この小説、作者の沢木耕太郎さん自らの経験を記した紀行小説です。昭和59年6月から昭和60年8月まで産経新聞の夕刊にて連載され、第一便、第二便として刊行、その6年後第三便が書き下ろされた。スリルある出来事、様々な出会いなど自分が旅しているかのような錯覚を起こさせ、読み終わった後、高揚感を覚え無性に一人旅をしたくなったことを思い出します。”これはもうぐずぐずしてはいられない、と思ってしまった” のです。
当時この小説に影響を受け本当に会社を辞め放浪の旅に出た人は数知れずと聞きます。しかし実際私には、そんな勇気も時間もお金もなく、リアルタイムでなく時代も違う、到底そのような真似事などできませんでしたが。
今でも、仕事に詰まったり疲れたりした時に何度も読み返し、自由な翼を手に入れるのです。素晴らしい作品です。
☟
「旅」というキーワードからもう一冊。
どちらも機内で読むのに最適な一冊です。私は旅の供に必ず本を一冊持っていきます。一冊のみです。何度も読んでいるお気に入りの小説であったり、セレクトした新刊であったり、ノンフィクションであったり、ジャンルは様々です。
ゆったりと流れる時間・・・
お気に入りのホテルのテラスで
ロッキングチェアに揺られ
カラカウア通りを眺めながら
お気に入りの小説をただ読み
時が過ぎていく
私にとって最も贅沢な過ごし方なのです
最高の刹那。ゆるりとした旅を好みます。
筒井康隆著「旅のラゴス」、少し前に読んだのですが、不思議な小説、読んでるうちに段々と引き込まれていきます。この小説は、評判は高いですが人によって好みがわかれるようです。合うか合わないかでしょうか。私は好きです。短め。
☟
ana-miler-moanasurf.hatenablog.com
ana-miler-moanasurf.hatenablog.com